Boot Camp で macOS と Windows のデュアルブート環境を構築している場合のバックアップ運用について紹介します。
基本方針
- macOS:Time Machine でバックアップ
- Windows:Mac から “dd” コマンドでバックアップ
必要な物
- macOS をバックアップ可能な外付けストレージデバイス(HDD、SSDなど)
- Windows をバックアップ可能な外付けストレージデバイス(容量が足りれば、上記と同じでも構いません)
- APFS(Apple File System)でフォーマットされたデバイス(内蔵でも可)が必要です。
1.macOS のバックアップ
Time Machine は、Mac に標準で用意されているバックアップ機能です。バックアップしてあれば、削除してしまったファイルでも復元できます。Mac をバックアップから復元する方法については、こちらの記事を参照してください。
- Time Machine バックアップを作成する
外付けのストレージデバイスへ Time Machine でバックアップを作成します。ストレージデバイスを Mac へ接続し、バックアップディスクとして選択すれば、Time Machine が過去 24 時間分の毎時間のバックアップ、過去 1 か月分の毎日のバックアップ、過去のすべての月の 1 週間ごとのバックアップを自動的に作成してくれます。バックアップディスクの容量がいっぱいになると、一番古いバックアップが削除されます。
- 外付けのストレージデバイスを接続する
以下のいずれかの外付けストレージデバイスを接続してください。Time Machine で使えるバックアップディスクについては、こちらの記事を参照してください。
- Mac に接続した外付けのドライブ (USB ドライブ、Thunderbolt ドライブなど)
- Time Machine over SMB に対応した NAS (ネットワークアタッチストレージ) デバイス
- Time Machine のバックアップ先として共有されている Mac
- AirMac Time Capsule、または AirMac Time Capsule や AirMac Extreme ベースステーション (802.11ac) に接続した外付けドライブ
ストレージデバイスをバックアップディスクとして選択する
- メニューバーの Time Machine メニュー から Time Machine の環境設定を開きます。もしくは、Apple メニュー >「システム環境設定」の順に選択し、「Time Machine」をクリックします。
- 「バックアップディスクを選択」を選択します。
- 利用できるディスクのリストからバックアップディスクを選択します(バックアップデータを暗号化する場合は、バックアップパスワードを設定するために、「バックアップを暗号化」を選択します)。「ディスクを使用」をクリックします。
選択したディスクが Time Machine で必要なフォーマットになっていない場合は、まずディスクを消去するように案内されます。「消去」をクリックして、先に進んでください。この場合、バックアップディスク上の情報がすべて消去されます。
注記
- Time Machineでは、APFS(Apple File System)でフォーマットされたデバイスが必要になります。
- バックアップ先は、内蔵ディスク以外の場所(外付けハードディスク、ネットワーク上のディスク、Time Capsuleなど)へバックアップすることをお勧めします。
- 外付けデバイスへバックアップすることにより、Macに何か問題が起きても、システム全体を復元できます。(別のMacへも復元可能)
便利な自動バックアップを活用する
バックアップディスクを選択したら、すぐに定期的なバックアップが始まります。これは自動的に進むので、何もする必要はありません。初回のバックアップに時間がかかる場合がありますが、バックアップの進行中も Mac を普段通りに使用して問題ありません。次回以降のバックアップ時には、前回のバックアップ後に変更されたファイルだけがバックアップされるため、初回ほど時間はかかりません。
バックアップを手動で開始するには、メニューバーの Time Machine メニュー から「今すぐバックアップを作成」を選択します。バックアップの進行状況を確認したり、進行中のバックアップを中止したりする際にも、同じメニューを使います。
2.Windows のバックアップ/リストア
MacOS 上で Windows をバックアップします。今回は、macOS 標準機能である”dd”コマンドを利用してバックアップする方法を紹介します。
Unixを利用する方にはお馴染みの “dd” コマンドを使います。ターミナルからコマンドを実行しますが、難しいことは無いので慣れていない方もチャレンジしてもらえると嬉しいです。
バックアップ元のWindows パーティションと同容量以上の空き領域が必要です。Time Machine で利用したハードディスクでも問題ありません。
Windows パーティションのバックアップ
- アプリケーションフォルダの「ユーティリティ」から、「ディスクユーティリティ」を起動します。
- バックアップ元の Windows パーティションを選択し、「マウントの解除」をクリックします。
- 「情報」をクリックし、「ディスク識別子」を確認(Boot Campで作成した場合は、通常「disk0s3」)
- バックアップ先のMac OS 拡張パーティションがマウントされていることを確認します。
- アプリケーションフォルダのユーティリティフォルダから、ターミナルを起動します。
- バックアップコマンドを実行します。
macbook:~ user$ sudo dd if=/dev/(バックアップ元のディスク識別子) dd of=/Volumes/(バックアップ先ボリュームの名前)/(バックアップファイル名)- 例えば、以下の場合のコマンド
- バックアップ元のディスク識別子:disk0s3
- バックアップ先ボリュームの名前:/Volumes/DATA/Backup/BootCamp
- バックアップファイル名:backup_xxxxxxxx
- macbook:~ user$ sudo dd if=/dev/disk0s3 of=/Volumes/DATA/Backup/BootCamp/backup_xxxxxxxx
- 例えば、以下の場合のコマンド
- 管理者のパスワードを入力してバックアップを実行します。
Windowsパーティションのリストア
- アプリケーションフォルダの「ユーティリティ」から、「ディスクユーティリティ」を起動します。
- リストア先の Windows パーティションを選択し、「マウントの解除」をクリックします。
- 「情報」をクリックし、表示された「ディスク識別子」を確認(基本的にバックアップ時と同じディスク識別子)
- リストア元のMac OS 拡張パーティション(APFS)がマウントされていることを確認します。
- アプリケーションフォルダのユーティリティフォルダから、ターミナルを起動します。
- リストアコマンドを実行します。
macbook:~ user$ dd if=/Volumes/(リストア元のボリューム名)/(バックアップファイル名) of=/dev/(リストア先のディスク識別子)- 例えば、以下の場合のコマンド
- バックアップ元のディスク識別子:disk0s3
- バックアップ先ボリュームの名前:/Volumes/DATA/Backup/BootCamp
- バックアップファイル名:backup_xxxxxxxx
- macbook:~ user$ sudo dd if=/Volumes/DATA/Backup/BootCamp/backup_xxxxxxxx of=/dev/disk0s3
- 例えば、以下の場合のコマンド
- 管理者のパスワードを入力してリストアを実行します。
以上