Windows と Mac の両方からアクセスできる内蔵ディスクの作成

Boot CampでMacとWindowsを利用していると同じディスク領域にアクセスして、同じファイルにアクセスしたいと思います。

そのような場合、通常は外部ディスクを利用する場合が多いかと思いますが、内蔵ディスクで実現できると便利です。今回はその方法を紹介します。

手順

  • Boot Campの環境を構築
  • Windowsでディスクパーティションを分割
  • 分割したディスクパーティションをexFATでフォーマット

0.事前準備

Boot Campにて事前にWindows環境を構築しておきます。(不明の場合は、こちらの記事を参照して下さい)

Boot CampでmacOSの領域とWindowsの領域のサイズを指定する際、macOSには最低限の大きさにしておくことを推奨します。今回は全体で1TBのSSDの内、115GBをmacOSへ割り当て、残りをWindowsへ割り当てました。

1.Windowsでディスクパーティションを分割する

Windowsを起動して左下のスタートボタン上で右クリックし、表示されたリストから、「ディスクの管理(K)」を選択します。

ディスク管理画面

下段に表示された「ディスク0」の「Windows(c:)」の上で右クリックし、表示されたリストから「ボリュームの縮小(H)」を選択します。

ボリュームの縮小画面

縮小可能なボリュームの大きさの計算が始まり、完了すると縮小可能なボリュームサイズが表示されます。

縮小領域の照会画面
Cドライブの縮小可能なサイズ

WindowsのCドライブに割り当てるディスクサイズが「縮小後の合計サイズ(MB):」になるように、「縮小する領域のサイズ(MB)(E):」のサイズを調整します。

Cドライブを縮小した後

ここでは、WindowsのCドライブのサイズを45GBとなるように設定しました。残り778GBが「未割り当て」として残されています。

2.分割したディスクパーティションをexFATでフォーマットする

次に、この「未割り当て」の領域の上で右クリックし、表示されたリストから、「新しいシンプルボリューム(I)」を選択します。

新しいシンプルボリュームを選択

新しいボリュームのサイズを指定します。通常は表示されたまま、最大値の設定をします。

新しいボリュームのサイズ設定

ドライブレターを設定します。ここでは「D」をドライブレターとして設定します。

ドライブレターの設定

次に、新しいボリュームをファイルシステムを「exFAT」としてフォーマットします。

exFATでフォーマット

ボリュームラベルを設定します。ここでは「USER」としました。

ボリュームラベルの設定

フォーマットが終わるとWindowsにDドライブが設定されます。

新しいボリュームの完成
Dドライブの完成

3.Macから確認する

Macを起動し、アプリケーションから「ディスクユーティリティ」を起動します。

ディスクユーティリティを起動

macOSから先ほど作成したボリュームが認識できているか確認します。

ディスクユーティリティ画面

左側のリストから「USER」を選択します。

USERボリューム

先ほどWindowsでDドライブとして設定した領域「USER」が作成されているこが確認できました。

ここで、macOSからは「Windows」の領域はアクセスする必要が無いので、アンマウントしておくことを推奨します。(デフォルトでは「Windows」となっているボリューム名はBoot Campになっています。ここでは、Windowsへ変更している状態です。)

Windowsのマウント状態

Windowsボリュームを選択して、上のバーの右端にある「マウント解除」を実行します。

Windowsのアンマウント状態

これで、macOSからもWindowsからもアクセスできる内蔵ディスク領域が作成されました。

注記

WindowsでCドライブを縮小する際に、環境や使用状況によっては空き容量があるにも関わらず、縮小ができない場合があるかと思います。その場合の対処方法は次回にご紹介します。

以上

Boot Camp 環境のバックアップ/リストア

Boot Camp で macOS と Windows のデュアルブート環境を構築している場合のバックアップ運用について紹介します。

基本方針

  • macOS:Time Machine でバックアップ
  • Windows:Mac から “dd” コマンドでバックアップ

必要な物

  • macOS をバックアップ可能な外付けストレージデバイス(HDD、SSDなど)
  • Windows をバックアップ可能な外付けストレージデバイス(容量が足りれば、上記と同じでも構いません)
    • APFS(Apple File System)でフォーマットされたデバイス(内蔵でも可)が必要です。

1.macOS のバックアップ

Time Machine は、Mac に標準で用意されているバックアップ機能です。バックアップしてあれば、削除してしまったファイルでも復元できます。Mac をバックアップから復元する方法については、こちらの記事を参照してください。

  • Time Machine バックアップを作成する

外付けのストレージデバイスへ Time Machine でバックアップを作成します。ストレージデバイスを Mac へ接続し、バックアップディスクとして選択すれば、Time Machine が過去 24 時間分の毎時間のバックアップ、過去 1 か月分の毎日のバックアップ、過去のすべての月の 1 週間ごとのバックアップを自動的に作成してくれます。バックアップディスクの容量がいっぱいになると、一番古いバックアップが削除されます。

  • 外付けのストレージデバイスを接続する

以下のいずれかの外付けストレージデバイスを接続してください。Time Machine で使えるバックアップディスクについては、こちらの記事を参照してください。

  • Mac に接続した外付けのドライブ (USB ドライブ、Thunderbolt ドライブなど)
  • Time Machine over SMB に対応した NAS (ネットワークアタッチストレージ) デバイス
  • Time Machine のバックアップ先として共有されている Mac
  • AirMac Time Capsule、または AirMac Time Capsule や AirMac Extreme ベースステーション (802.11ac) に接続した外付けドライブ

ストレージデバイスをバックアップディスクとして選択する

  1. メニューバーの Time Machine メニュー  から Time Machine の環境設定を開きます。もしくは、Apple メニュー  >「システム環境設定」の順に選択し、「Time Machine」をクリックします。
  2. 「バックアップディスクを選択」を選択します。
    macOS のシステム環境設定の「Time Machine」ウインドウ
  3. 利用できるディスクのリストからバックアップディスクを選択します(バックアップデータを暗号化する場合は、バックアップパスワードを設定するために、「バックアップを暗号化」を選択します)。「ディスクを使用」をクリックします。
    macOS のシステム環境設定の「Time Machine」ウインドウでバックアップディスクの選択画面が表示されているところ

選択したディスクが Time Machine で必要なフォーマットになっていない場合は、まずディスクを消去するように案内されます。「消去」をクリックして、先に進んでください。この場合、バックアップディスク上の情報がすべて消去されます。 

注記

  • Time Machineでは、APFS(Apple File System)でフォーマットされたデバイスが必要になります。
  • バックアップ先は、内蔵ディスク以外の場所(外付けハードディスク、ネットワーク上のディスク、Time Capsuleなど)へバックアップすることをお勧めします。
  • 外付けデバイスへバックアップすることにより、Macに何か問題が起きても、システム全体を復元できます。(別のMacへも復元可能)

便利な自動バックアップを活用する

バックアップディスクを選択したら、すぐに定期的なバックアップが始まります。これは自動的に進むので、何もする必要はありません。初回のバックアップに時間がかかる場合がありますが、バックアップの進行中も Mac を普段通りに使用して問題ありません。次回以降のバックアップ時には、前回のバックアップ後に変更されたファイルだけがバックアップされるため、初回ほど時間はかかりません。

バックアップを手動で開始するには、メニューバーの Time Machine メニュー  から「今すぐバックアップを作成」を選択します。バックアップの進行状況を確認したり、進行中のバックアップを中止したりする際にも、同じメニューを使います。

2.Windows のバックアップ/リストア

MacOS 上で Windows をバックアップします。今回は、macOS 標準機能である”dd”コマンドを利用してバックアップする方法を紹介します。

Unixを利用する方にはお馴染みの “dd” コマンドを使います。ターミナルからコマンドを実行しますが、難しいことは無いので慣れていない方もチャレンジしてもらえると嬉しいです。

バックアップ元のWindows パーティションと同容量以上の空き領域が必要です。Time Machine で利用したハードディスクでも問題ありません。

Windows パーティションのバックアップ

  1. アプリケーションフォルダの「ユーティリティ」から、「ディスクユーティリティ」を起動します。
  2. バックアップ元の Windows パーティションを選択し、「マウントの解除」をクリックします。
  3. 「情報」をクリックし、「ディスク識別子」を確認(Boot Campで作成した場合は、通常「disk0s3」)
  4. バックアップ先のMac OS 拡張パーティションがマウントされていることを確認します。
  5. アプリケーションフォルダのユーティリティフォルダから、ターミナルを起動します。
  6. バックアップコマンドを実行します。
    macbook:~ user$ sudo dd if=/dev/(バックアップ元のディスク識別子) dd of=/Volumes/(バックアップ先ボリュームの名前)/(バックアップファイル名)
    • 例えば、以下の場合のコマンド
      • バックアップ元のディスク識別子:disk0s3
      • ックアップ先ボリュームの名前:/Volumes/DATA/Backup/BootCamp
      • バックアップファイル名:backup_xxxxxxxx
      • macbook:~ user$ sudo dd if=/dev/disk0s3 of=/Volumes/DATA/Backup/BootCamp/backup_xxxxxxxx
  7. 管理者のパスワードを入力してバックアップを実行します。

Windowsパーティションのリストア

  1. アプリケーションフォルダの「ユーティリティ」から、「ディスクユーティリティ」を起動します。
  2. リストア先の Windows パーティションを選択し、「マウントの解除」をクリックします。
  3. 「情報」をクリックし、表示された「ディスク識別子」を確認(基本的にバックアップ時と同じディスク識別子)
  4. リストア元のMac OS 拡張パーティション(APFS)がマウントされていることを確認します。
  5. アプリケーションフォルダのユーティリティフォルダから、ターミナルを起動します。
  6. リストアコマンドを実行します。
    macbook:~ user$ dd if=/Volumes/(リストア元のボリューム名)/(バックアップファイル名) of=/dev/(リストア先のディスク識別子)
    • 例えば、以下の場合のコマンド
      • バックアップ元のディスク識別子:disk0s3
      • ックアップ先ボリュームの名前:/Volumes/DATA/Backup/BootCamp
      • バックアップファイル名:backup_xxxxxxxx
      • macbook:~ user$ sudo dd if=/Volumes/DATA/Backup/BootCamp/backup_xxxxxxxx of=/dev/disk0s3
  7. 管理者のパスワードを入力してリストアを実行します。

以上

MacBookに macOS と Windows 10 のデュアルブート環境を Boot Camp で構築する

Boot Camp を使って、Mac に Microsoft Windows 10 をインストールし、Mac を再起動する際に macOS と Windows を切り替えることができます。

Boot Camp を使うには、Intel プロセッサを搭載した Mac が必要です。Apple シリコン(M1プロセッサー)が搭載されたMacにはBootcampのインストールができないのでご注意下さい。

BootCamp を使って MacBook に Windows10 をインストールする方法を紹介します。

必要な物

0.事前準備

Macを最新のOSへアップデートします。

macOS の最新のアップデート。Boot Camp アシスタントのアップデートも入っています。Windows 10 のインストールには Boot Camp アシスタントを使います。

Mac の起動ディスクに 64 GB 以上の空き領域

  • Mac に最低 64 GB の空き領域があればインストールできますが、128 GB 以上の空き領域を確保しておけば、快適に利用できます。Windows の自動アップデートには、それ以上の容量が必要になります。
  • iMac Pro または Mac Pro のメモリ (RAM) が 128 GB 以上の場合、Mac の搭載メモリと同量以上の空き領域が起動ディスクに必要です。

容量が 16 GB 以上ある外付けの USB フラッシュドライブ。フラッシュドライブがなくても Windows をインストールできる Mac を使う場合は不要です。

64 ビット版の Windows 10 Home または Windows 10 Pro を収録したディスクイメージ (ISO) またはその他のインストールメディア。Mac に Windows をはじめてインストールする場合は、アップグレード用ではなく、フルバージョンの Windows を使います。

1.Boot Camp アシスタントを使って Windows をインストール

「アプリケーション」フォルダの「ユーティリティ」フォルダにある、「Boot Camp アシスタント」を開きます。

「ユーティリティ」をクリック
「Boot Campアシスタント」をクリック

「Boot Campアシスタント」をクリックすると「Boot Campアシスタント」画面が起動します。

「Boot Campアシスタント」画面

Boot Campアシスタント画面で、「続ける」ボタンををクリックすると、Windows用として使用するパーティションのサイズを設定する画面が起動します。

Windowsに割り当てるパーティションのサイズを設定する

ここで、「0.事前準備」で用意したWindows 10 のISOイメージのファイルを指定します。

次に、Windowsに割り当てるパーティションのサイズを設定します。Macをメインに使用するので、ここではWindowsには80GBとしました。

macOS と Windows の間にある「・」を左右にスライドするとディスクのサイズを調整できます。

準備が整ったら「インストール」ボタンをクリックします。すると、Windows用のドライバー類の自動ダウンロードが開始します。

Windows用ドライバー類を自動ダウンロード

Windows用ドライバー類のダウンロードが完了すると、ディスクパーティションの作成が始まります。

設定したサイズに従ってMacのディスクが自動的にパーティションに分割される

パーティションの作成が完了すると、自動的にWindowsのインストールが開始されます。

正常にインストールが完了すると、Macが自動的にシャットダウンされ、Windowsが起動します。

2.Windows への Boot camp のインストール

Windowsが起動すると、Windows用Boot Campのインストーラー画面が起動し、WindowsへのBoot Campの設定が開始されます。

Windowsインストール後に自動起動されるWindows用Boot Campのインストーラー

WindowsへのBoot Campのインストールが完了し、システムを再起動すると、Winodwsが利用可能となります。

以上